建築物環境衛生技術者(ビル管)の元理事長が、理事長在任中に起こったマンション管理にまつわる様々な問題とその解決策、そしてそれにいたる過程をお伝えします。 同じ様な問題を抱えている管理組合の方の一助になれば幸いです。
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更新工事
今回管理会社から提案のあった内容は、
・給水管埋設部更新
-PE管に交換
・高架水槽までの給水管更新
-外配管での新規敷設
・高架水槽から各戸水道メーターまでの共用部給水管更新
-配管の入れ替え更新
・共用部排水管更新(除く埋設部)
-雑排水管と汚水管の撤去・交換
になります。
工期は約4カ月とのことです。
・給水管埋設部更新概略
受水槽から現在、3つある高架水槽に各々ポンプで送水をしていますが、
その配管が駐車場及びマンション前道路下を通り、
エレベーター横に各々併設されている配管スペースへつながっています。
その配管スペース内に高架水槽につながる給水管が設置されています。
今回はその埋設部の鋼管をPE管に交換し、錆による腐食を無くそうという計画です。
・高架水槽までの給水管更新
エレベーター横に各々併設されている配管スペースに、
高架水槽につながる給水管と消火栓用配管が設置されています。
受水槽からの配管は地下を通り、スペース内の配管へつながっています。
ただこの配管スペースに入口は無く、非常用消火栓のパネルを外し、
そこから出入りするしかありません。
したがって、この配管への接続や交換には手間がかかり、
その為管理会社は、安易な方法を提案してきたものとおもわれます。
配管が外に露出する形になる為、見栄えが悪く、資産価値低下になります。
・高架水槽から各戸水道メーターまでの共用部給水管更新
高架水槽から各戸への給水は、
玄関横にあるメーターボックス内に設置された共用給水管を通して行われます。
メーターボックス内と云う事もあり、作業自体は行い易いとは思います。
交換に際しては管周囲のコンクリートの撤去が必要な事、
工事期間中、水路を確保する必要があることから、
一時、外配管による給水路の敷設が必要になります。
・共用部排水管更新(除く埋設部)
共用部排水管は、3本。
1本は、台所と玄関の間の柱部に沿ってある雑排水管、
あと2本は、トイレと風呂場の間にある汚水管と雑排水管です。
双方とも家の中心にある通路を挟んで配置されていて、
工事に際しては、廊下とトイレ壁面の撤去・修理を伴います。
上下階との境は、共用部給水管と同様コンクリートで固められていますので、
交換に際しては、管周囲のコンクリートの撤去が必要になります。
また、専有部内での作業となる為、立会が必要になります。
配管の交換は共用管のみで、専有部は交換の対象では無く、
現在の配管を繋ぎ直すだけになります。
問題点
・金額が高い
・占有部は工事対象外
・工期が長い
・断水が生じる
・立会が必要
・排水管工事の際、専有部の壁を壊さなければならない
・外配管は見栄えが悪く、資産価値が下がる。
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配管更生/更新に関する諸問題
これまで配管本体に関する問題について述べて来ましたが、
マンションの配管更生/更新工事に関しては、
他に様々な問題が存在しています。
その中で最も問題と思われるのが、
・共有部と専有部の問題
・費用と工期・工法の問題
ではないかと思います。
共有部と専有部の問題
線引き
マンションは共用部と専有部に分かれている事は、十分承知の事と思います。
給排水管はその両方にまたがって存在し、その事が工事をするに当たり障害となります。
それは、
どこで線引きを行うか
と云う事が、1つ問題となります。
共用部は、総会決議を必要とする場合もありますが、
基本、理事会の意向で工事を行う事が出来ます。
そしてその作業が占有部にかからない限りは、
理事会の意向で作業を進めることができます。
しかし、この給排水管は当マンションの場合、
共用部だけの作業を行うにしても、
その大半が専有部内にあります。
つまり、専有部のに立ち入らなければ、
工事が出来ない場合もある
という事です。
配管の配置場所
ちなみに下図は当マンションの間取り図です。
ご覧頂ければ分かります様に、
共用排水管(雑排水管&汚水管)に限って言えば、
そのほぼ全てが専有部である住居内にあり、
しかも、ほぼ家の中心を通っています。
住民の理解
専有部については、その所有者の意志に反して工事を行う事は困難ですし、
ましてや、給排水管のトラブルを問題として認識していない方が大半を占める状態で、
その個人の所有物を、自分には関係ない(と思っている)工事、
即ち共用部だけの修繕・修理の名目で一旦壊されるとしたら、
その重要性を理解して協力して頂くには、多大な努力が必要かと思います。
もし仮に、その範囲を専有部を含む形にして、
所有者を当事者にしたとしても、
私有財産である専有部を、
共有財産である修繕積立金で修理・修繕を行う事が本当に妥当かどうか、
住民の方の意見をまとめなければいけません。
また、工事部分を専有部まで広げれば、当然工事費用は膨らみますし、
もし工事費を抑える為、専有部の修理・修繕費用を 一部にせよ各戸負担にした場合など、
リフォームを済ませたなどの理由で本来工事が必要で無いと考えている方や、
年金生活者、フリーター等、収入や蓄えの少ない方は費用を負担出来ず、
その工事そのものに異を唱える方もいらっしゃるかも知れません。
共有専有両方にまたがった問題である
ただ 特にこの給排水管の問題は、
両方とも直さなければ、根本的な解決策とはならない問題
でもあり、そこが非常に頭を悩ませる所でもあります。
共有部/専有部共に問題が無ければ良かったのですが、
当マンションの場合は、共有部に問題が発見されましたし、
それと同時に、専有部でも問題が発見されました。
そして、どちらかと云いますと、
共用部よりも専有部の方が、状況は深刻である
と云えます。ここも頭の痛いところです。
このブログご覧の方々に中には、
築年が浅く、今問題が無い、という方もあるかと思います。
もしそうだとしても、
前にも述べた様に、いずれ考えなければならない問題なので、
今の内から検討をしておく事をお勧め致します。
いざ問題が発覚し事態が急を要する様になってからでは、
取れる対処法が限られて来る上、
管理会社の言いなりにならざるを得ず、
高い買い物をせざるを得なくなりますので・・。
管理会社にとっては、これが一番望ましい形です。
なにしろ、自分の好きな様に出来るのですから。
金額も工法も・・。
次回は費用と工期・工法の問題について述べて行きたいと思います。
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